レッドハットがオープンスタックに注力
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レッドハットは、グローバルおよび国内における新年度の事業戦略を発表した。クラウド事業を推進し、オープンソースのクラウド基盤構築ソフト「Openstack(オープンスタック)」におけるデファクトポジションの獲得を目指す。すでにオープンスタックのコミュニティで、無償のコミュニティ版ディストリビューションをリリースしており、商用ディストリビューションを6月以降に日本を含むグローバルで発売する予定となっている。これにより、「Linux同様のデファクト化を目指す」(廣川祐司社長)としている。
レッドハットは、近年では非Linux領域を強化し、総合的なオープンソースベンダーとしての企業色を強めている。企業買収も含め同領域での売上も増加している。3月からの新年度(2014年度)のグローバルの方針では、「オープンハイブリッドクラウドの推進」「ビッグデータ戦略の推進」「オープンスタックにおけるリーダーシップ」の3種類を掲げている。
クラウド事業においては、買収したマネージIQ社のクラウド管理製品や、ストレージおよびネットワークの仮想化、分散処理といった領域でディストリビューション販売の目指す方向性を示している。
さらにクラウド領域で、これからの領域であるオープンスタックに注力する。コミュニティのOpenStack・orgの4月の発表によると、オープンスタックの最新版「グリズリー」では、レッドハットがコミュニティで最も貢献しているコントリビューターであるほか、「個人でもトップ10技術者のうち6人がレッドハットの社員」(廣川社長)という状況になっている。
ビジネス化を見据えて、オープンスタックのパートナー企業向けのプログラム「レッドハット・オープンスタック・クラウド・インフラストラクチャー・パートナー・ネットワーク」を設立し、これまでに21社が参加している。
さらにOpenStack・orgにレッドハットのオープンスタックディストリビューションのコミュニティを立上げ、コミュニティ版ディストリビューション「RDO」をリリースした。今後、商用版が6月か7月に発売される予定となっている。
レッドハットの日本法人でも、新規事業の推進ならびにパートナー協業戦略を強化する事業戦略の一環として、すでに事業展開している「JBoss」や「レッドハットストレージ」とともに、オープンスタックパートナーとなるITベンダーを募集し、支援プログラムを実施していく。