OSSコンソーシアムがOSSCOBOLの普及活動を展開
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OSSコンソーシアムは、オープンソースのCOBOLの活用を促進する「OSS COBOL支援プロジェクト」を開始した。コンソーシアム内に「OSS COBOLワーキンググループ(WG)」を設立し、オープンソースのCOBOL開発環境である「OpenCOBOL」を適用する際のサポートや法的問題の整備など、ビジネス面でのフォローを行う。現在市場では、COBOLコンパイラは寡占状態の有償製品が主流という状況があり、COBOLアプリケーションの継続的な利用にOpenCOBOLと他のOSSを組み合わせたマイグレーションの方法論などを提示する。
金融機関や自治体の情報システムにおいて、かつてメインフレームやオフコンにCOBOL言語を使って構築したプログラム資産を現在も維持しているケースは少なくない。
プログラムを維持するには、ハードの老朽化に伴って異なるハードウェアやLinuxOSの環境にCOBOLプログラムを移植するという作業が発生するが、そこで主に利用されている海外製のCOBOLコンパイラは、ユーザーと開発者にそれぞれライセンスが発生し、ITコスト削減が求められるユーザーにとって悩みの種となっている場合が多い。
そのような背景から、OSSコンソーシアムは、システムのダウンサイズに伴うCOBOL資産移行の際に、無償で利用できるOpenCOBOL適用を支援するプロジェクトを開始する。
OpenCOBOLは、日本医師会の情報化プロジェクト「ORCAプロジェクト」で開発されたものをOSS化したもの。長崎県で地元IT企業およびOSSを中心に庁内システムを構築した「ながさきITモデル」で採用されているほか、海外の公共機関などでも多数の導入実績がある。
WGでは、OpenCOBOLを採用してマイグレーションを行う際の実案件で、追加開発が発生した際の手法やコードの公開や、ノウハウの交換を行う。例えば、バックエンドのロジックにCOBOL、フロントのUIにPHPといったように、現状のシステム構成に即したシステム構築などを提案していく。
長崎県でシステム構築を実施したランカードコムが中心となって活動を行う。また、多数のCOBOLのマイグレーション実績を持つ東京システムハウスも参加し、新たにOSSを使ったCOBOLマイグレーションビジネスに参入するとしている。
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