文部科学省、高度IT人材の確保図る
06 10/9 文部科学省は、ソフトウェア分野における人材の質および量が非常に不足しているとの判断から、今年度予算で大学院の教育内容や体制を強化する人材育成プロジェクト「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」を実施、このほど6件のプログラムを採択した。高度なレベルのIT技術者育成のための教育カリキュラムや産学連携の協力体制を開発していくもので、社会情勢の変化に柔軟に対応できるIT技術者の確保を促進する。中でも組込み系およびエンタープライズ系で世界最高水準の先導的ITスペシャリストを育成する基盤作りを推進していく。
社会のインフラを担うIT業界では技術者不足が叫ばれて久しい。特にソフト工学を理解して高度な技術を持つITアーキテクトやプロジェクトマネージメントなど、社会情勢の変化に柔軟に対応してユーザーの要望をシステム化できる人材が求められている。
そこで文科省は、大学院で高度な技術を学生に教えることで、企業において先導的な役割を担える能力を備えた「先導的ITスペシャリスト」の育成に乗り出した。
これまで大学内には、適当なカリキュラムと学内の体制、大学間の協力体制がなかったことから、今年度予算で新たに「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」を策定、5月から7月の間に各大学にカリキュラムを公募し、このほど6件を採択した。
採択された6件のプロジェクトは、@高度IT人材育成のための実践的ソフトウェア開発専修プログラムA情報理工実践プログラムBOJLによる最先端技術適応能力を持つIT人材育成拠点の形成C高度なソフトウェア技術者育成と実プロジェクト教材開発を実現する融合連携専攻の形成D次世代情報化社会を牽引するICTアーキテクト育成プログラムE先端ITスペシャリスト育成プログラムで、合せて25大学が参加する。
例えば@では、筑波大大学院を核として電気通信大、東京理科大、さらに産業界が加わり、実習やプロジェクトワークに重点を置いた教育カリキュラムの策定と教育拠点の形成を促す。
そのほかに、独創的なソフトウェアを開発できる人材に育成するなど、社会に出てすぐに実践で活躍できる人材の育成を推進していく。プロジェクトは4年間の継続支援の形態を取った。
文部科学省 http://www.mext.go.jp/