富士通が富士通シーメンスコンピューターズを完全子会社化しサーバービジネス強化

08 11/10

 富士通と独シーメンス社は、共同出資会社であるオランダの富士通シーメンスコンピューターズ(FSC)の全株式を富士通が取得することで合意した。これまで双方が50%同士の株式を保有していたが、来年の4月1日からFSCは富士通の持ち株比率100%の完全子会社となる。今回の株式取得について富士通の野副州旦社長は、「グローバル化に向けた第一歩の扉を開くもの」とし、就任時に掲げたグローバル・カンパニー化へ向けた最初の改革と位置付けた。今後富士通はFSCを起点に、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)地域をはじめ、BRICsなど新興諸国への進出を図る。


 FSCは、07年度の売上高が約66億ユーロ、従業員約1万人を抱えている。富士通のサーバー「プライマジー」の主要開発拠点としての役割を担っており、サーバーとパソコンの売上が約7割を占める。
シーメンス社は、「エネルギー」「インダストリー」「ヘルスケア」の3分野に事業を集中する方針で、来年10年間の合弁契約が切れるタイミングであることから、今回の話がまとまった。なお、株式の取得金額は4億5千万ユーロとなっている。
野副社長は、今後の富士通の成長戦略として海外展開に加えてプロダクトビジネスの強化を掲げており、FSCの完全子会社化を「プロダクトビジネスを成長路線に乗せるための打ち手」と期待をかける。
例えば、これまで日本の製造拠点とFSCで重複があり、日本国内マーケットに対してプライマジーの迅速な製品展開ができないなどの問題があった。今後マーケティングなどの体制をFSC主導で見直し、コストを含めて無駄を省き、サーバー開発を効率化する。
ハード面での商品力の強化により、「日本では実現しているが海外では実現できていないサービスとプロダクトの両輪でのビジネスのグローバル展開」を図る。一方、不採算化し、一部で買収が噂されているコンシューマーPC事業については、「来年4月までに打てる手は打つ」と表現した。

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