CTCとCRCが合併し「伊藤忠テクノソリューションズ」に

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 伊藤忠商事の情報子会社である伊藤忠テクノサイエンス(CTC)とCRCソリューションズは、今年10月1日に合併することを決定した。情報サービス会社は現在、開発案件の多様化と増加に伴う技術者不足、案件獲得競争の激化に伴う受注単価の下落、他産業からの参入や国際競争力の高まりという波にもまれており、IT関連会社の生残り競争が熾烈になっている。そうした中で、CTCとCRCは、システム構築から運用サービスという総合力を生かした事業規模の拡大を図ることで生残りをかける。合併後の売上高は2996億円で、業界第3位のSI会社となる。

 両社は伊藤忠商事の情報子会社で、CTCは商社系情報機器子会社としてスタート、サン・マイクロシステムズ社やオラクル社などの海外の有力ベンダーを日本に紹介して事業を拡大、これに伴うSI事業も展開しながら現在に至っている。06年3月期の売上高は2390億円。
 一方のCRCソリューションズは、伊藤忠商事グループのIT業務代行会社としてスタートし、科学技術計算などに強いデータセンターとして多くのユーザーを獲得するなどアウトソーシングビジネスで堅実な売上げを立てている。06年3月期の売上高は606億円だった。
 合併後の存続会社はCTCとし、新会社の社名は「伊藤忠テクノソリューションズ梶v、資本金は217億6300万円となる。社長にはCTCの奥田陽一社長が就任する予定となっている。合併後の売上高は2996億円、従業員総数は5670名で、情報サービス会社の中でNTTデータ、日本ユニシスに次ぐ第3位の総合情報サービス会社となる。
 合併の効果として、市場の競争激化に対するリソースの最適配分に加え、ユーザーの多様化するニーズに企画立案から構築、運用、保守サポートまで総合力で付加価値を提供できるようになる。合併効果は07年度以降に表れると見ている。
  現在のSIのビジネスモデルは利益率が薄いため、競争力を維持して成長を続けるには安定的な顧客基盤の確立と、事業領域の拡大が欠かせない。今回のCTCとCRCの合併は、この点をカバーするための相乗効果を狙ったもの。大手SI会社のM&Aに対する要求は強く、今後の業界再編が急激に進むことも考えられる。

 伊藤忠テクノサイエンス http://www.ctc-g.co.jp/
 CRCソリューションズ http://www.crc.co.jp/