厚生労働省が医療情報化に向けた基本計画策定
07 4/16 厚生労働省は、政府のIT新改革戦略を受けて医療情報の高度化を推進する「医療・健康・介護・福祉分野の情報化グランドデザイン」を策定した。医療の課題と情報化や医療情報システム構築のための戦略、保健医療福祉総合ネットワーク化に必要な具体的なアクションプランとなっている。人口減少と少子高齢化が進む現在、医療・健康・介護・福祉分野でのサービス利用者の増加が見込まれている一方で、医師や看護士の減少や医療現場の効率化などを支援するITの導入は欠かせないものになっている。そこで同省は、今後約5年間の事業計画などを明らかにしている。
医療の情報化グランドデザインはまず、基本的視点を明確にすると同時に国民や医療機関などのニーズ、IT化での課題、IT化による将来像を明確にしている。そうした点を踏まえ、5年後の実現を目指したアクションプランを策定した。
アクションプランでは、「医療機関の情報化」「レセプトオンライン化」「生涯を通じた健康情報の電子的収集と活用」「介護・福祉分野における情報化」を核に進めることになる。
具体的には医療機関の情報化では、オーダーエントリーシステムを含む総合型の医療情報システムの普及が見込まれているが、情報連携には医療用語や用語間の関連性コードの標準化や、記述要件や書類等の定義の標準化が必要なことから、現在の取組みを継続的に進め、08年度中には電子化と標準化のあり方に対して一定の見解を示すとしている。
レセプトオンライン化では、医療保険事務の低コスト化や医療費の適正化が求められていることに対して、11年4月から医療機関と審査支払機関、審査支払機関と保険者間で完全オンライン化とすることを目標にした。そのために、08年度末までに全国規模でレセプトデータの収集、分析体制を整えるなどとしている。
一方で、医療の課題とその解決を目的としたIT化を見ると、課題としての「情報提供」では電子カルテシステムとレセプト電算処理システムの導入、「効率化」の課題には電子カルテやオーダリングシステム、個人・資格認証システム、物流システムの導入などをあげている。
同省では毎年度に施策の進ちょく状況を把握して進行管理を行うとしている。
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/