国内メーカー5社が第3四半期決算を発表

08 2/11

 国産メーカー5社の第3四半期決算が相次ぎ発表された。NECを除く4社が、サブプライムローン問題が拡大する中順調に売上高を伸ばした。特に富士通は、これまでの体質改善策とグループ一体化によるサービス強化策、グローバル展開が功を奏している。一方で、グローバル展開に注力しているメーカ各社にとって円相場の高低は、売上高や利益への影響が直接響いてくるだけに、今後の予断を許さない状況が続いている。一時期の不況を事業の選択と集中でしのいできただけに、今後の事業提携などを含めた戦略が重要になっている。

 日立製作所の連結売上高は、前年同期比8.8%増の2兆7071億円で、営業利益は26.5%増の778億円、当期利益は10倍を超える125億円となった。
  中でも情報通信システム部門は、ソフト・サービス分野の伸びと、懸案事項だったハードディスクドライブの伸長が貢献し、売上高は7.6%増の6272億円、営業利益が2倍超の142億円となった。
  東芝の連結売上高は、前年同期比4.8%増の1兆8785億円で、営業利益は24.7%減の421億円、当期純利益は11.0%増の805億円だった。
  パソコンなどの「デジタルプロダクツ」事業は、売上高が5.6%増の7894億円となった。営業利益は、携帯電話やハードディスク装置が足かせとなり63億円にとどまった。
  NECの連結売上高は、4.0%減の1兆522億円で、営業利益は54.3%減の160億円、当期損益は52億円の赤字となった。これは、光ディスクドライブの販売事業の譲渡や欧州の個人向けパソコン事業の売却が影響したもの。
  分野別では、IT/NWソリューション事業が1.3%減の6132億円となった。ITサービスは堅調だったがサーバーやネットワーク機器の減収などが響いた。
  富士通は、連結売上高が前年同期比8.1%増の1兆2949億円、営業利益が6.5倍の466億円、当期純利益は5倍の55億円と増収増益となった。第3四半期としては01年以降の最高値を達成している。
  セグメント別では、コンピューター関連の「テクノロジーソリューション」は、6.8%増の7657億円で、特に海外での伸びが著しい。「サービス」は8.0%増の6097億円だった。
  三菱電機の連結売上高は、4.6%増の9119億円で、営業利益が0.5%増の638億円、当期利益が0.5%増の423億円だった。情報通信システム部門は、7.0%減の1296億円で、システム・サービス事業の売上高が前年同期を上回ったが、携帯電話などが足を引っ張った。