メーカー3社が06年度決算を発表

07 5/14

 東芝、富士通、三菱電機の国産メーカー3社が06年度の決算を相次ぎ発表した。景気拡大傾向を受けて各社とも増収増益となり、好調さを示している。IT関連事業では、ハードは低価格化に歯止めがかからず各社ともに苦戦を強いられているが、サービス、ソリューション事業が着実に伸びており、これがハードのマイナスを補って増益につながっている。特に富士通は、純利益が1千億円を初めて超えるなど社内体制の強化とサービス事業の拡大が奏効した。今年度は各社共に成長を予想しているが、世界的な経済の停滞感などから予断を許さない状況にあるようだ。

 東  芝 

 東芝の連結売上高は、前年比12.2%増の7兆1164億円で、営業利益が同7.4%増の2584億円、純利益が同75.8%増の1374億円となり、過去最高の数値となった。
  部門別に見ると、パソコンなどのデジタルプロダクツ部門は売上高が前年比10.6%増の2兆8055億円だった。パソコンは海外市場が好調で売上げを伸張し、POSシステムなども好調に推移したことから増収に結びついた。しかし、携帯電話が国内市場で伸び悩んだことを受け、営業利益は51%減の158億円だった。
  今年度の連結売上高は5.4%増の7兆5千億円、営業利益は0.6%増の2600億円と予測している。

 富 士 通

 連結売上高は前年比6.4%増の5兆1001億円、営業利益が0.3%増の1821億円、純利益が同49.4%増の1024億円で、ファナックの売却などにより初めて1千億円を超えた。
  サーバーやサービスを含むテクノロジーソリューション事業の売上高は前年比5.8%増の3兆1570億円、営業利益は6.9%増の1636億円だった。
  そのうち、UNIXサーバーなどシステムプラットフォームは低価格競争もあり、1.9%減の7037億円となった。パソコンは前年度より20万台多い845万台で、順調に販売台数を伸ばしている。
  一方、サービス事業は売上高が8.3%増の2兆4532億円と好調さを維持している。国内は銀行や保険、証券といった金融分野と、自動車などの製造分野を中心にSI事業が堅調に推移したことから1.2%増の1兆5847億円となった。好調な海外はアウトソーシングの拡大で23.9%増の8684億円と貢献した。
  今年度の連結売上高は5.9%増の5兆4千億円で、営業利益は4.3%増の1900億円を見込んでいる。

 三菱電機

 三菱電機の連結売上高は前年比7.0%増の3兆8557億円、営業利益が同47.7%増の2330億円、純利益が同28.6%増の1231億円となった。
  IT関連の情報通信システム部門の売上高は前年比6.8%増の6880億円だった。システムインテグレーションが増加したことなどで営業利益も前年比1億円増の208億円となっている。
  今年度の連結売上高は前年比2.2%増の3兆9400億円で、営業利益は14.2%減の2千億円とした。

 

 東  芝(IR)    http://www.toshiba.co.jp/about/ir/  

 富士通(IR)     http://pr.fujitsu.com/jp/ir/

 三菱電機(IR)   http://www.mitsubishielectric.co.jp/ir/