メーカーの第3四半期決算出揃う
07 2/12 国産メーカー4社の第3・四半期決算が相次いで発表された。景気拡大の波に乗り、情報サービス関連の好調さもあって概ね順調な数字を計上している中、苦戦を強いられているのが日立製作所だ。抜本的な経営/事業改善が進行中だが、プラズマテレビやDVDレコーダーなどのデジタルメディア・民生機器部門が赤字を計上している。同社の4月−12月の当期損失が768億円であることから、今年度の純損失予想の550億円の赤字を上回る可能性も出てきた。今期予想では4社とも、前期を上回る数字には変化がなかった。
日 立
日立製作所の第3四半期決算は、連結売上高が前年同期比10.2%増の2兆4883億円、営業利益が57.3%増の615億円、当期利益は77.8%減の12億円となった。
注力分野を明確にした積極的な投資の効果が発揮しだし、情報通信システム部門や電子デバイス部門、電力・産業部門で増収増益となった。しかし、デジタルメディア・民生機器部門が営業利益で190億円の赤字を計上するなど、全体の足を引っ張った。
情報通信システム部門は、売上高は13.9%増の5827億円で、うちソフト・サービスが17.7%増の2447億円と好調だったほか、ストレージなどのハード部門も11.4%増の3380億円となった。
東 芝
連結売上高は、前年同期比13.3%増の1兆7933億円で、営業利益は12.2%減の559億円、当期利益は3倍の725億円だった。全部門で増収となったもので、特に米国市場の好景気に支えられた。
セグメント別に見ると、パソコンやストレージデバイスが好調なデジタルプロダクツ部門は、売上高が6.7%増の7478億円で、営業利益は30.9%増の174億円だった。パソコンは海外市場の好調さに支えられ、営業利益は3.6倍となる40億円を計上している。
富 士 通
連結売上高は、前年同期比6・8%増となる1兆1976億円だったが、営業利益は43・2%減の71億円、当期利益も66・7%減の11億円と増収減益となった。
セグメント別では、ハードやサービスの「テクノロジーソリューション」が7・1%増の7168億円だった。中でもアウトソーシングやSI事業のサービス部門が8・6%増の5643億円と堅調に推移している。一方、ハード部門はサーバーやストレージなどが性能向上による低価格帯へのシフトの加速、パソコンもウインドウズビスタの登場を待って買い控えにより、91億円の営業損失を計上した。
三菱電機
連結売上高は、4.4%増の8715億円で、営業利益は29・6%増の635億円、当期利益は30.7%増の421億円となり増収増益となった。全セグメントで黒字となったが、唯一「情報通信システム」が減収減益だった。
その情報通信システムは、売上高が4.2%減の1396億円、営業利益も34.7%減となる49億円だった。これはSI事業の減少などが要因としている。
日立製作所 http://www.hitachi.co.jp/
東芝 http://www.toshiba.co.jp/index_j3.htm
富士通 http://jp.fujitsu.com/
三菱電機 http://www.mitsubishielectric.co.jp/