経済産業省が産学連携で高度IT人材育成

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 経済産業省は、高度IT人材の育成を目的とした「IT人材育成強化加速事業」の成果を発表した。同事業は、主に産業界が教育機関に対して実践的IT人材の育成を支援する「産学連携IT人材育成プラットフォーム構築事業」と、若い技術者にモデルキャリアパスを提示するための「IT人材職種別モデルキャリア開発計画策定事業」で構成されている。事業の成果として、今年度より5大学で産業界の支援による実践的講座が実現したほか、IT産業の業務の紹介や魅力に関して、業界人からのメッセージを紹介する資料を開発し、今後のIT人材の確保を図っている。

 経産省は2007年7月に、提言「高度IT人材の育成をめざして」を発表し、「高度IT人材の育成が喫緊の課題」との認識を持った。それを踏まえて情報処理技術者試験の改訂や、ITスキル標準(ITSS)をはじめとする3スキル標準の整合化などを進めてきた経緯があり、同事業もその流れを汲んでいる。
  情報サービス業界では、産学で非統一的な教育体系であるため、新卒の社員が理系でも即戦力にならないという状態が続いている。そこで産学連携IT人材育成プラットフォーム構築事業で、教育を支援する企業と大学をマッチングしてITカリキュラムを開発した。
  これを受けて、今年度から九州大学、筑波大学、東洋大学、山口大学、早稲田大学において、最大250名の学生を対象とした講座が行われ、学生に対する実践的教育が開始される。
  さらに、実践的教育を実施するための教材やカリキュラムを収集し、産学で教育体系を統一する「IT人材育成コンテンツプラットフォーム」を開発したほか、社会人が再び高等教育を受ける「リカレント教育」について、先進事例や企業のニーズなどの調査を行い、産学連携による社会人のIT人材育成について検討した。
  IT人材職種別モデルキャリア開発計画策定事業では、広報物として提供する情報を策定した。
  コンサルタント、ITアーキテクト、ITスペシャリストなどITSSの9職種の10人ずつにインタビュー調査を実施し、「その職種で成功した人のモデル」として、職種別の「モデルキャリアパス(基本パターン)」を作成したほか、学生に対するメッセージをまとめたコンテンツを作成した。
  なお、同事業は経済産業省の委託事業として、情報処理推進機構(IPA)のIT人材育成本部が実施したものとなる。

関連サイト

経済産業省 IT人材育成強化加速事業