経産省が情報経済社会に提言

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 経済産業省は、IT経営やWeb2.0などの新たな技術動向などを踏まえ、昨年4月に取りまとめた「情報経済・産業ビジョン」のフォロー・アップ版となる「情報経済社会の課題と展望」を公表した。昨年はITと情報家電の相互連携による新たな情報経済・産業の創出をうたったが、IT新改革戦略にもあるように少子高齢化社会における新しい成長、Web2.0といった新たな技術展開での競争力強化などが必要との判断から、内容を検討しなおし、「ITの戦略的導入のための行動指針(案)」や「IT経営力指標(案)」などで具体的な取り組みを提言した。

 情報経済社会の課題と展望と題して、昨年4月に策定した「情報経済・産業ビジョン」をフォロー・アップした背景には、当時と現在におけるIT政策や技術的基盤が異なってきたことをあげている。例えば、政策ではより具体的なテーマを掲げたIT新改革戦略、技術的なものではWeb2・0という従来にはない情報活用技術などが一般的になったことだ。
 フォロー・アップの中身を見ると、@「IT経営」などITによる「課題解決力」と生産性の向上A「Web2・0」などITの新しい活用と新しい産業の展開B「オープン・イノベーション」の促進などとその基盤の確保―の3点をテーマに掲げている。
 これは、経産省が6月に公表した「新経済成長戦略」で、少子高齢化社会における人口減少の中で「新しい成長」を目指した国際競争力の強化などの課題と、政府のIT新改革戦略を中心として、情報政策の取り組みを前進、具体化させることを目的としている。
 IT経営については、企業経営をITによって最適化する企業の割合を世界のトップにするというIT新改革戦略の目標をベースに、「ITの戦略的導入のための行動指針(案)」を提示、7つのテーマと20の取組みを明確にして企業の競争力強化を推進する。
 また、企業のIT化の度合いをできるだけ客観的に評価できる「IT経営力指標(案)」を盛り込むなど、具体的なIT化への取組みを促進させる考えだ。
 経産省は当該提言をベースにIT新改革戦略の具体的な展開を図る観点から必要な対応策の具体化を進めていく。なお、行動指針と指標については改めて意見の募集を行うとしている。

 経済産業省 http://www.meti.go.jp/