NEDO、産総研、NECなどが次世代型モジュールデータセンターを開発

12 10/1

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、産業技術総合研究所(産総研)、NEC、NTTファシリティーズ、三菱電機、長崎大学は、次世代モジュール型データセンター(DC)を開発した。これまで開発してきた省エネ基盤技術の高電圧直流電源技術、サーバー液冷技術、グリーンクラウド運用技術、DCモデリング・評価技術に、今回新たに開発した外気導入技術を組み合わせてエネルギー利用効率を最適化した。省エネ技術を結集し、従来のデータセンターと比較して消費電力を30%削減できるとしている。

 

 年々ITの活用が進む一方で、地球温暖化や原発問題など省エネの気運の高まりから、個々の機器での省電力化や省エネ技術開発は進んでいる。
ただしDCを建設する際は、IT機器、空調設備、電源設備、建物が、異なる事業者により異なる目標設定のもと設計・構築されてきたため、DC全体としてエネルギーを効率良く利用できておらず、全体で見ると節電の余地が残っていた。
今回NEDOは、産総研のつくばセンター内にDCを構築した。熱対策は、空気中に分散した熱をデータセンター外に排出するには強力な空冷装置が必要となるため、空気よりも熱伝導率が高い液体を用いた液冷ジャケットを既成品サーバーに装着し、大部分の熱を冷却液により除去することで、熱をサーバー室内に排出せずに除去する手法を採用した。
これに加えて気化冷却器、熱交換器、除湿加湿器からなるグリーンユニットを導入し、外気の条件に合せて外気を送ることで、空調機を使わずにサーバーの冷却を可能としている。
このほかに、直流電源供給と電源ユニットの運転台数を制御する技術により、電力損失を減らし、電源システムの運転効率を向上させた。
DCは、分散ストレージを多数のサーバーで構成し、相互にデータのレプリカを備え、ユーザーからのアクセスが多い場合は、レプリカをもつサーバーすべてを起動させ性能を維持し、アクセスが少なくなったら、必要最低限のサーバーを残し、残りのサーバーの電源を落とす。停止中のサーバーのデータ更新は、再び電源を入れた際に、データの更新情報を同期することで行う。
今後は、つくば市において1年間クラウドサービスなどで運用し評価を行い、商用電力の供給が制限された際に制限内で効率良くDCを運用できる技術も開発する。

 

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

産業技術総合研究所(産総研)

NEC

NTTファシリティーズ

三菱電機

長崎大学