JEITAが高齢化時代のサービスを検討
14 4/7号
電子情報技術産業協会(JEITA)は、高齢者がコンシューマー・エレクトロニクス機器(ICT機器)を活用して安心・安全にスマートな生活ができる社会を創出するための取組みを開始した。JEITAが2013年度に、IT/エレクトロニクスを活用した製品やサービス市場を創出・形成するための研究を実施する目的で高齢者ニーズ調査を行ったところ、IT・エレクトロニクスを活用して受けたいサービスもあることが立証できたため、業界にとっても大きな潜在ニーズがあるマーケット層であるとして今後高齢化社会に向けたビジネスを検討していくこととした。
総務省の発表資料によると、2013年に国内の65歳以上の高齢者が占める高齢者率は25.1%で、日本はすでに4人に1人が65歳以上という高齢化社会に突入している。さらに、50年後の2060年には高齢者率が39.9%にまで上昇し、2.5人に1人が65歳以上となる超高齢化社会に移行することが見込まれている。
このような背景のもとJEITAは、新たなサービス市場を創出するための研究活動の一環として、2013年11月から2014年2月にかけて、首都圏の1都3県在住の64歳から75歳までの男女を対象に、Webとグループインタビュー形式による高齢者向けのアンケート調査を実施した。
その結果、高齢者は「健康維持」や「つながり」が共通の関心事項であり、インターネットを利用している層は、何らかの生きがいを持ちやすいという傾向が明らかとなった。また、実際にIT/エレクトロニクスによる受けたいサービスもあるという回答を得た。
これらの結果からJEITAは、「コンシューマー・エレクトロニクス機器やシステムが地域コミュニティを形成し、そこでの活動を通じた人と人との絆や生きがいをもたらす環境を提供できる」とし、高齢化社会が進む日本社会への貢献ならびにビジネスの可能性についての検討を開始した。
調査に基づく具体的な取組みとして、まずインターネット利用層を中心としてIT/エレクトロニクス業界に関連するサービス需要の創出・拡大のため、動向把握と普及策の検討をすすめていく。
また、インターネットを使わない層がインターネットを活用することで、高齢者に活力を与え、結果として超高齢化社会を迎える日本の社会保障コスト削減につながるとの考えのもと、非ネット利用層のニーズ調査も行い、今後題解決のための検討、施策提案を行っていくとしている。