IPAがソフト品質確保のガイドライン公開

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 情報処理推進機構(IPA)のソフトウェア高信頼化センター(SEC)は、中立な立場の第三者がソフトの品質を確認して示すための制度を構築するためのガイドライン「ソフトウェア品質説明のための制度ガイドライン」を公開した。ソフトの品質を第三者が確認する制度を設けるための要求事項43項目をまとめたものとなっている。また、これを受けてコンピュータソフトウェア協会(CSAJ)は、IPAの新ガイドラインに準拠したパッケージソフトの品質認証制度「PSQ制度」の運用を開始した。認証第一号は、8月のPSQ判定委員会で決定される予定だ。

 IPAのSECでは、ソフトの品質が、利用者にとって理解が困難であり、加えてベンダーにとっても大規模化や複雑化により品質説明が難しくなっている現状を踏まえ、中立な第三者によって品質を確認するスキームが必要と考え、今回のガイドラインを作成した。
 また、ソフトはパッケージソフトやクラウドアプリケーション、受託による個別開発、組み込みなどあらゆる分野に分かれており、それぞれの製品やシステム分野に合った個別の制度が必要になると考え、それぞれの分野で制度を構築するための「制度ガイドライン」という形で公開することになった。
 ガイドラインは、「公正性の確保」と「整合性の確保」が特徴となっている。製品やシステムを確認する第三者が、供給者であるベンダー利害関係の無い独立した立場であることや、特定の分野に依存しない要求事項であることなどを核に据えた内容になっている。
 今回の発表を受けてCSAJは、かねてから国際規格であるJISX25051:2011(ISO/IEC25051:2006)に準拠する形で作成を進めてきたパッケージソフトについての品質認証制度を、IPAの新ガイドラインにも準拠させ、新ガイドラインの準拠第一号の制度として運用を開始することになった。
 CSAJのPSQ認証制度は、CSAJが公募した評価機関が中立な立場で評価を行う。評価対象は、オンプレミスのパッケージソフトのみとなっており、主に仕様書を元に作成された試験文書を検証、それをさらにCSAJが確認して認定書を発行する。

   IPAでは今後、クラウドやスクラッチ開発など、パッケージソフト以外についての制度を運用する、他団体などの登場を待つことになる。

情報処理推進機構(IPA)

コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)