新経連が政府による経済再生を提言

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 新経済連盟(新経連)は、4月16日に都内でシンポジウム「新経済サミット2013」を開催し、そこでの議論に基づいて、政府に対して日本再生に向けてITを活用したイノベーションの推進に関する提言を行った。提言は、「イノベーション振興に関する国家方針の確立と起業文化の醸成」「ベンチャー投資の活性化や起業・新産業創業を促す税制改革」「次世代を担うグローバルかつイノベイティブな人財の育成と招致」「新市場・新産業を創出する徹底的な規制改革」の4項目からなり、甘利明経済再生担当大臣に対して提言書を提出した。

 

 新経連は、楽天の三木谷浩史会長が代表理事をつとめるIT企業中心の新しい経済団体で、今回1千人規模の大規模なシンポジウムを初めて開催した。
 シンポジウムでは、グーグルのアンディ・ルービン副社長やツイッターのジャック・ドーシー創業者、LINEの森川亮社長などが基調講演を行い、そのほかにも慶應義塾大学の村井純教授、Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏、グリーの田中良和社長、フリービットの石田宏樹社長ほか多くの国内外の有識者、起業者が登壇し、日本の起業支援に対する風土や制度、グローバル化、強み、教育、税制などに対して議論が行われた。
 税制の議論のなかでは、世界のIT企業が10%程度の実効税率で事業をしているのに対して、日本の企業は約40%と高く、人材も含めた再投資に資金を回せていないという指摘や、人材育成では、日本での起業家を増やすため、早期からのプログラミング教育、経営学教育が必要という意見が出た。
 提言に具体的な内容をみると、イノベーション振興に関する国家方針の確立と起業文化の醸成との提言において、内閣総理大臣が主催して、プログラマーやデザイナーなどが参加して共同で新サービス創出に向けた作業を行うソフト開発プロジェクトのコンテスト「ハッカソン」を開催することを提案した。
 人材育成に関する提言では、コンピューターサイエンスやコンピュータープログラム、アプリ開発に関する教育を教育課程に導入することを盛り込んだ。また、デンマークの事例をベンチマークとし、生徒1人につき1台のITデバイスを配布してITリテラシーを向上させ、教育の中心を「考える力を導くこと」「人と違うさまざまな解決法を見つけること」へシフトさせることや、プログラマー経験者や起業家を教師とし、遠隔教育で実践的な教育を行うなどの提言を行った。

新経済連盟