IPAがアジャイル型開発のガイドライン公開
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情報処理推進機構ソフトウェア・エンジニアリング・センター(IPA/SEC)は、日本の開発スタイルに合わせたアジャイル型開発のガイドラインを発表した。アジャイル開発は、以前より非ウォーターフォール開発モデルとして注目されているが、既存のアジャイル開発のガイドラインは、開発環境の異なる海外で実践された方法を訳したものであるため、日本ではそのままでは取り入れにくいことから、今回SECはアジャイル開発組の先駆的企業の事例調査を行い、それらを国内向けの参照用ガイドとしてまとめ、公開した。
アジャイル開発は、機能単位で短い開発を繰り返す反復型の開発手法で、Scrum(スクラム)やXP(エクストリーム・プログラミング)などの手法がある。
現在国内では、最初に仕様を決定して、その仕様書に則して一気に開発を推し進めていく「ウォーターフォール開発」が主流となっている。台人数で進める大規模開発開発に合っている反面、開発の最終段階になってシステムがユーザーの要求と異なっている事が発覚し、手戻りが発生する例も多発している。
これに対し、アジャイル開発は1つひとつの開発をユーザーの確認を取って進めていく方式なので、大きな手戻りは発生しない。また、ウォーターフォール型開発と比較して、ソフトのリリースを早期化できるという特徴もある。インターネットサービスやゲーム開発の分野で採用が進んでいる。情報サービス業界最大手であるNTTデータも、1千人単位での人材育成に取組んでいる。
ガイドのメインターゲットは、「アジャイル型開発に関心を持ち始め、実際に自分で試してみようと思っている初心者」となっている。プロジェクト独自の工夫や、日本国内でアジャイル型開発を実践する際に留意しなければならない点を、アジャイル開発で用いられている開発プロジェクトの適用技術、開発プロセス、組織運営などを表わした「プラクティス」と呼ばれる指針の形でまとめた。