システム監査学会が日本公認会計士協会と協力
06 10/16 システム監査学会(JSSA)は、企業のIT監査の支援強化の一環として日本公認会計士協会(JICPA)と協力関係を結び、JICPAが実施している監査IT支援制度の「ITエキスパート」を支援することを明らかにした。JICPAは今年1月に同制度を立ち上げたが、協会内での人材確保が進まないことからJSSAに打診した。一方のJSSAは、専門監査人資格認定制度で「会計システム専門監査人」などを設けているが、こうした人材活用で協力することで「専門監査人のビジネスチャンスがようやく訪れた」(鳥居壮行会長)としている。
JSSAは04年に、システム監査の中でも専門性を持たせてユーザーが安心して監査を受けることができるように「情報セキュリティ」「個人情報保護」「会計システム」の3つの「専門監査人資格認定制度」を創設した。
一方JICPAは、情報システムにかかわる監査に関して質的向上を目的とする「監査IT支援制度」を今年1月に新設し、公認会計士による「ITエキスパート」の登録を開始した。
監査事務所からの要請で登録ITエキスパートを紹介するもので、情報システムの虚偽表示リスクなどITの内部統制評価を監査事務所に代わり判定する。登録ITエキスパートは、公認会計士のためIT関連のシステム監査を実施できる人数が不足しているという。
そこでJICPAはJSSAが会計システム専門監査人制度を実施していることを知りその内容を確認したところ、ITエキスパートの補佐を十分に補佐できる教育と能力を持つと判断、JSSAに協力を求めた。
JSSAは、会計システム専門監査人が有料でITスキルを活かす分野での監査を支援できることから、協力を進んで受け入れJICPAとの協業を決めた。
両団体は、それぞれが持つ教育研修での相互協力も含めているほか、会計システム専門監査人と登録ITエキスパートとが話し合いによる契約を結ぶことを決めた。
JSSAでは、これまでシステム監査にノウハウを持つ退職者などの人材も存分に活用するなど会計システム専門監査人の育成に注力するとともに、「ようやくビジネスとしての機会が出てきた」として、将来の新たな事業展開としても位置付けていく考えだ。
システム監査学会 http://www.sysaudit.gr.jp/