マイクロソフトと富士通がクラウド分野で提携

10 7/19

 米マイクロソフト社(MS)と富士通は、クラウドコンピューティング分野で提携した。提携により富士通は、クラウドサービスメニューの一環として、ワールドワイドでMSのクラウド基盤である「ウインドウズ・アジュール・プラットフォーム」を活用したサービスを、自社ブランドのクラウドサービスの一環として提供する。今回MSは、ワシントンで開催したパートナーカンファレンスにおいて同様の提携を米イーベイ社、米HP社、米デル社とも結んだことを発表し、ワールドワイドのクラウドサービスの大幅な強化をアピールしている。

 ウインドウズ・アジュール・プラットフォームは、MSのワールドワイドのデータセンターをベースに、インターネット経由でコンピューティングリソースをオンデマンド提供するパブリッククラウドサービスで、現在利用中の自社運用環境と組み合わせてシステムを運用することも可能となっている。
 今回MSは、富士通を含めて4社との提携を発表したが、このほかにもサービスプロバイダーや大企業ユーザーなどが自社のデータセンターでウインドウズ・アジュール・プラットフォームを利用するためのアプライアンス製品として、「ウインドウズ・アジュール・プラットフォーム・アプライアンス」のコンセプトを発表している。
 提携に基づきMSと富士通は、ウインドウズ・アジュール・プラットフォームを富士通のサーバーやストレージなどのハードウェアに搭載した富士通ブランドのアプライアンス製品を共同で開発する。富士通以外の3社も同様のアプライアンスを開発する。
 富士通は、同アプライアンスを活用して独自のクラウドサービスを世界中の富士通のデータセンターから提供する予定で、国内では2011年初頭よりサービスを開始する。
さらに、海外を含めてグループで5千人以上のSEに対し、MSが開発したウインドウズ・アジュール・プラットフォーム技術者育成プログラムを実施し、SIビジネスの対応を強化していく。

   今回の提携で、MSは日本市場においてクラウドシステムの運用を富士通という大手ITベンダーに委ねることができ、海外ベンダーのクラウドサービスを利用する際のデータの国外運用という問題を回避できる。富士通は、規模の拡大を図っているグローバル展開に弾みをつけられるというメリットがある。

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