IT業界の人気に回復の兆し―楽天が調査
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楽天は、同社が運営する学生向けの就職情報サイト「みんなの就職活動日記」で2013年に卒業する学生を対象に実施した「IT業界人気企業ランキング」を発表した。「他の業界の会社から内定が出た場合、どちらを就職先として優先させるか」の問いに、IT業界と回答した学生が、前年比で2・6ポイント増えており、中高生の理科離れや厳しい労働環境などのイメージから落ちこんでいた業界人気に、回復傾向の兆しが見られた形だ。なお、学生人気の1位企業は、メーカーを除く情報サービス業界で売上高トップのNTTデータとなっている。
調査は、Webアンケートと就職イベント会場での紙アンケートで合せて1499人が回答している。投票者1人が、ノミネートされた新卒採用を行っている191社の中から7社以上10社までを選択するという回答方式で実施した。
それによると、学生がIT業界を志望する理由の1位は、「社会に役立つ仕事ができる」で、2位以降は「ITなど専門スキルが身に付く」「実力があれば若いうちから活躍できる」と続いている。
他の業界とどちらを就職先として優先させるかについては、最も多かった回答は「企業の魅力で決める」だったが、2番目が「IT業界の企業を優先する」で、昨年の調査よりも回答率は増加するとともに、「IT業界でない企業を優先する」より2倍以上の回答を得ている。
総合ランキングトップ10は、1位がNTTデータ、2位が富士通、3位がNTTコミュニケーションズ、4位が野村総合研究所(NRI)、5位がヤフー、6位がNEC、7位が日本IBM、8位が楽天、9位がグーグル、10位が伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)だった。
全体的な傾向としては、メーカーと情報・通信、インターネットサービスが強く、学生の大企業志向も表れた形となっている。
分野別1位の企業を見ると、コンサル系がNRI、ソフト系では日本マイクロソフトとなっている。SI企業は独立系がオービック、メーカー系は日立ソリューションズとなり、ユーザー系は業態別に金融系が東京海上日動システムズ、商社系がCTC、製造業系が新日鉄ソリューションズなどだった。