金融庁のEDINETが本格運用を開始

08 3/24

 富士通は、今年4月から実施される金融庁への有価証券などの電子提出において、同庁が運営する「金融証券取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム(EDINET)」の新システムを構築、本格運用を開始したと発表した。新システムはXBRLに準拠しており、上場企業などから提出された財務諸表はアナリストや投資家がダウンロードして加工できるようになり、「高度な情報利活用が実現する」としている。金融庁の新EDINETは世界でも最大規模の開示システムで、同庁は「証券市場の効率性を高める」と期待をかけている。

 新EDINETは、富士通が提供しているXBRLミドルウェア「インターステージXWand(エックスワンド)」を中核シフトとしたシステムで、XBRLの最新技術仕様「XBRL2.0スペシフィケーション」に準拠している。
  EDINETの再構築は、金融庁が2006年3月に発表した「有価証券報告書等に関する業務の業務・システム指摘化計画」に基づいて行われ、情報開示の強化を目的に初めてXBRLを採用して構築された。今年4月から、上場企業などに義務付けられる有価証券の電子届出の実行基盤システムとなる。
  新EDINETには、上場企業約5千社、ファンドなど3千本の財務情報がXBRL形式で登録される。世界でも最大級のデータ開示システムとして、アナリストや投資家、報道機関などの情報活用を促すことになる。
  金融庁は新システムの利点を、XBRLの導入による高度な情報活用の実現に加え、検索機能の強化による利便性の向上、セキュリティの強化、行政コストの削減などをあげた。
  また、新システムは新たにコード体系が付与されるため、旧EDINET利用者に対してホームページから「新旧EDINETコード対応表」での確認を呼びかている。
  新EDINETの本格稼働に先駆け富士通は、EDINET向けの財務報告データ作成ソフト「XWandツール・フォー・EDINET」を発売しており、財務諸表の電子提出に対応しなければならない企業などを対象にXBRL市場での優位性を持ちたい考えだ。
  こうした動きは、電子政府/電子自治体の実現を加速するものとして期待されており、今後の利用拡大が見込まれている。

 

 金融庁発表 新EDINETシステムの稼動開始(3月17日)について

 EDINET  http://info.edinet-fsa.go.jp/ 

 富士通  http://jp.fujitsu.com/