トヨタのロボット戦略に期待

17 4/17

 トヨタ自動車が、サービスロボット事業を本格的に開始した。第一弾の製品として、脳卒中患者向けの歩行訓練のリハビリ支援ロボットを発表、9月から医療機関向けに貸出しを開始する。自動車作りで培ってきた産業用ロボット技術を、生活支援の「パートナーロボット」として社会問題の解決へと役立てていく。
  今回の歩行アシストから、対話、立乗りパーソナルモビリティ、生活支援など範囲を広げる。またロボットとしてはシンプルだが、今後本格的にAIを搭載し、取得した医療関連のデータを分析・活用していく方針だ。すぐに大きな事業にはならないにしても、クルマ同様いずれ世界にも展開できるサービスであり、同社が動くことで動きの遅いロボット市場が反応する効果も期待できる。
  工場などで活躍する産業用のロボットは、日本が得意としていたが、生活領域や人とのコミュニケーションを中心とした新世代のロボットでは出遅れ気味だ。トヨタも05年には、「愛・地球博」でロボット楽団による楽器演奏のデモンストレーションを行っていたが、そこから実用(事業)化に12年を費やしたことになる。
  日本の製造業が世界で伸び悩むのは、“ものづくりファースト”の思考にとらわれ、製造業のトップからエンジニアまで、ハードウェア思考から抜け切れていないことが大きな理由だ。ITやネットワーク基盤が高度化し、製品開発はサービスを通じて高度化するという発想でハードは安くていいという流れの中、切換えがうまくいっていない。
  ただ今回、培ってきた自動車技術のロボットへの適用について、現場をあずかるパートナーロボット部の玉置章文部長は「ソフト技術の品質」ということを強調していた。さらにロボットの開発は、オープンイノベーションで推進していくという。同社のみならず、今後のロボット市場の展開に期待できそうな雰囲気を感じる。        (I)